2011年1月8日土曜日

波の上の魔術師 石田衣良

波のうえの魔術師 (文春文庫)

【要約】
新潟から出てきて東京で5年大学にかよい、就職浪人中の「おれ」が出会った「ジジイ」は投資家だった。
都銀に勝負を挑むという。

【深読み】
2回目。前は大学の時。
結構古い本なんだけど、最近の地合いもあってやけに面白い。
おもしろいのは空売りだから?
まぁ結論は、そらあ証取法違反だろって感じ。
そうか作家はここまで詳細に調べてるからすごくリアルに読めるのか。

みんなと同じことをしってはいけないっていう格言は、
「周囲に流されずただひとり別の道をいく、その勇気を持たなければ、とても成功はおぼつかない」
ってこと?
これとトレンドフォローは矛盾する。

【備忘】
・みんなお互いには目はあわせなかった。相手の目に映った自分を見るのが嫌なのだ。

重力ピエロ 伊坂幸太郎

重力ピエロ (新潮文庫)

【要約】
仙台市で起きる連続放火事件。過去を持つ兄弟が事件に挑み
兄が見つけた真実は・・・

【深読み】
遺伝子がどうこうとかいってる仕事だからこそ、
遺伝子で犯人がわかってしまうからこそ、
いっしょに過ごした時間とか、育ての親の愛情とかを否定するものではなく、
むしろ、全面的に公定される。
「何だよ、遺伝子、関係ねえじゃんか!」

ていうかオチが読める。
そこまで圧倒的ではない。ていうか設定の勝利?
あにも父とはつながってないとかそこまで深よみしてみたが、
そういうわけでもなかった。

【備忘】
・命名とはすなわち、願いをこめることと近いはずだからだ。
・八畳のワンルームマンション内で起きた偉業は、だれにも誉められない。
・「おまえが仮に法を犯しても、そこには何か理由があるんだ、と俺は信じるよ」
・何一つ商品を購入していないというのに店員が、「ありがとうございました」と挨拶をしてくれたので、私の胸は痛む。

2010年12月25日土曜日

少女 湊かなえ

少女 (ハヤカワ・ミステリワールド)

【要約】
「死」を悟りたい。人間の死ぬ瞬間を見てみたい。二人の少女は、
それぞれ、病院と老人ホームで「死」を体験するために、行動を開始する。
【深読み】
なんか人間関係をぐちゃぐちゃにすればいいわけではないと思う。
先に設定というか関連性を決め手からそれを小出しにしていくとこうなっていくのか。
うーん、子どもがうそついてるのまでは読めた。
というか題名は「少女」というより「死」に関わる言葉にすべきだろう。
「告白」が売れたっていうことを意識しすぎ。さすが出版不況。
でもこのネガティブは文章は好き。
【備忘】
・そんなこと、わたしがわかったところで、どうなるというのだろう。
・じめじめとした二人が、お互いの悩みを打ち明け合っていれば、次第に惹かれあうこともあるかもしれない。

日本経済の真実 辛坊治郎

日本経済の真実―ある日、この国は破産します

【深読み】
良書。新自由主義というか経済学の基本を押さえての実体経済の話。
このひとTVであんまり印象もなかったけど、すごく見直した。
経済的に正しいことと、政治的に正しいことが違っている場合には、
経済的に正しいことをすべきだと思う。すくなくとも不況の場合には。
【備忘】
・駐車場や不動産賃貸ビジネスなど別の収入があったりするために、シャッターをおろしたまま商店を放置してしまうのです。

邪魔 奥田英朗

邪魔(上) (講談社文庫)

邪魔(下) (講談社文庫)

【深読み】
小さな不正。それは、どこにでもあるから共感してしまうのか。
なんかやだなと思う。でも、こういうことあるなって思う。
そこからありえない方向に向かう時の想像力。
詳細描写にもやけに共感できるのは観察力。
確かに「小太りで異様に額がせまいひと」っているよね。
【備忘】
・念のため今度はボタンで番号をひとつひとつプッシュした。
・スーパーに勤める男たちは女が嫌いだろうな、と恭子は思う。
・年配なのに髪を三つ編みにした女が親しげに恭子の腕をつかんだ。